ブログトップ | ログイン
まっちゃんの仕事部屋
naocco2005.exblog.jp
2050年は江戸時代
原発が津波で使えなくなったり、
首相の要請を受けて停止することになったりしている今日この頃、
電気が使えなくなることに対して、
漠然とした不安を抱いている人が多いみたいですね。

そんな人たちにおススメしたいのが、
石川英輔の『2050年は江戸時代』(講談社文庫)です。

著者・石川英輔は、タイムスリップものが得意なSF作家。
中でもサイエンスライターの男が江戸時代にタイムスリップする
『大江戸神仙伝』シリーズが好評で(ちょっと『仁−JIN−』と通じるものがある)、
そうとう巻数を重ねています。
また、それがきっかけになったのか、
江戸時代のエネルギー事情の研究者としても知られています。

『2050年は江戸時代』もその名のとおり近未来SF小説です。
ただし、この話は原発ではなく石油エネルギーが枯渇したときの話。
当然、日本では現在のような
ガソリンや電気をふんだんに使う生活が完全に崩壊し、
最初こそ、交通はマヒし失業者や餓死者が大発生して大混乱になるのですが、
最後には、自然エネルギーだけに頼る人間らしい生活を取り戻すのです。

もちろん小説なのでファンタジーだと言ってしまえばそれまでですが、
たとえ電気がほとんど使えなくなっても、
これまでに蓄積された科学の知識を駆使すれば、
本当の江戸時代(昭和30年代と言う人もいる)に逆戻りすることはないし、
危険や石油資源枯渇の恐怖と隣り合わせではない、
案外悪くない未来があるのかもしれない、と思わせる一冊です。

私が最初にこの本を読んだのは10年くらい前ですが、
今、改めて読み返してみると、
今回の電力不足問題は、
本当に電気が使えなくなるような時代が来る前の
貴重な予行演習なのかな、と思えてくるのです。
2050年は江戸時代_e0084998_141759100.jpg

by naocco-mdb | 2011-05-11 14:18 | ●その他いろいろ
<< 楽しんでもらえる演舞 初めてのデジタルピストル >>